松本愛未とは
「小さな看護士さん」 兵庫県 松本 愛未(学生 16歳) その時、私の家族は大切にしていた犬が死んでしまい、家の中はとても暗かった。その上、父が仕事で怪我をし、母が交通事故に遭い、おばあちゃんは足が悪くなり…みんな大事には至らなかったものの不幸が重なっていた。
そんなある日、姉が一匹の子猫を腕に抱えて帰って来た。その日は雨が降っていた。姉の腕の中の小さな猫にはまだへその緒が付いたままで小刻みに震えていた。かわいそうに、このまま雨にさらされていたら、きっと死んでしまっていただろう。その猫はあまり母乳を口にしていなかったのか、未熟児だったものの、みんなの介抱の甲斐あって元気に育ち「ルウ」と名付けられた。
ルウがわが家に来てから、家の中はガラリと変わった。今までの雰囲気が嘘のように、笑顔が絶えなく、明るくなった。みんなルウが大好きだ。
ある時、私が学校で嫌な事があり落ち込んでいると、ルウがひざの上に乗って来た。そして「大丈夫だよ。」とでも言うように優しく笑いかけてくるのだ。そのルウの表情を見て思わず泣いてしまった。心があったかくなり、頑張ろうという気持ちになれた。他の家族にも同じようにしている事が後で分かった。
今でもつらい事があるとルウは必ずひざの上に乗り、変わらぬ笑顔で癒してくれる。私達家族にとってルウは心の看護士さんだ。