|
年明け早々から、その日本でWBCへの準備を進めていた。所属するSKが春季キャンプを行う高知市で、1月中旬には早くも全力投球を開始。厳しい韓国プロ野球の練習の中でも、とりわけ「軍隊並み」と評されるSKの猛練習に取り組む姿は、まるで高校球児のようだった。 北京で金メダルを獲得。特に日本戦での快投で、野球ファンだけでなく、韓国中に知られる存在に。人気者の象徴とされる携帯電話会社のテレビCMにも出演するようになった。 SKの金星根監督が振り返る。「チームから五輪に出た他の選手はすべて、帰国した時に連絡をくれたのに、彼からはなかった。おかしいと思いましたね」。しかり付けたという。エースもまだ20歳。チヤホヤされ、どうやら浮ついてしまったようだ。 だが、監督の叱責は効果てきめんだった。その後、金広鉉は目の色を変えて練習に取り組むようになった。 左腕からの150キロ近い速球と、切れ味鋭いスライダーは一級品だ。しかし、野球の名門校出身ではない彼を「これまでは体の強さだけでやってきた」と金星根監督。様々な面で潜在能力が眠ったままだという。 もちろん、本人も、自分の立場を理解している。東京ラウンドへ向け、「チームとしては、まず初戦の台湾戦が最重要。でも、出来れば日本戦に登板して勝ちたいですね」。成長を続ける日本キラーは、今大会も大きな脅威となりそうだ。(佐藤毅) ( 2009年3月3日 読売新聞)
|